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2007年7月27日 (金)

逆境の国士

 近頃は話題に上りませんが、こんな政治家がいました。

・ 夫婦別姓法案を反対運動の最前線に立って阻止
・ 人権擁護法案の推進派と激しく対峙して阻止
・ 外国人参政権反対派
・ 拉致議連にも結成と同時に加入、事務局長
・ 日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会を結成、幹事長

 愛国者的(?)な視点で見ると、素晴らしい活躍ぶりです。さらに最近話題の年金問題についてWikipediaを引用してみます。

2004年9月厚生労働副大臣に就任。かねてから自治労傘下の労働組合の元で非効率で不正確な業務が行われていた社会保険庁改革に取り組み、安倍晋三首相のもとで行われた社会保険庁解体の基本計画を策定する。その徹底ぶりは破壊者織田信長を自認する小泉純一郎前首相をして「そんなことが本当にできるのか?」と言わしめたほどであったと言われている。

その名は 衛藤 晟一

 社会保険庁解体の道筋を作っていたのはこの人だったんですね。しかし残念ながら、郵政民営化法案に反対票を投じて罷免され、「郵政選挙」では公認を得られず落選、一気に現場から遠ざかってしまいました。

 自民党総裁が安倍氏になってから復党を果たしましたが、造反組の復党にあたっては、安倍氏ともども激しく非難を受けました。そして今回は比例代表候補として選挙に臨んでおられます。

 しかし、公明党の反発を受け、かなり苦しい戦いを強いられているようです。

 自民党の比例代表候補には著名人が多いです。最近話題になった候補者たちは、それなりに得票する事でしょう。中でも「ヒゲの隊長」や、拉致問題担当首相補佐官は、無難に全国的な支持と一種の組織票に似た得票があると思われます。これらの候補者は、安倍総理の支持者以外からも票を集められるでしょうから、かなり順位は高くなると予想できます。一方、衛藤氏は最も強く安倍カラーを放つものの、(意図的に?)メディア上の扱いも小さく、有権者の意識から忘れ去られ気味になっているような気がします。

 安倍総理を熱心に支持していても、復党問題について批判的な人は多いようです。増して衛藤氏は本来の地盤を失っている以上、復党に理解のある人が全国から投票しなければ、比例順位を上げる事は難しいと思われます。

 自民党全体の議席数も重要ですが、衛藤氏が落選した場合は「安倍政権否定の象徴」として大きく報道され、安倍改革の勢いが鈍る可能性が高いと見ています。結果が注目される候補者の一人です。

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追記

 郵政解散については諸説ありますが、私はあの手法は王道ではなかったと思います。
 確かに、あれをやった小泉前総理の選挙戦術は優れていたと評価できます。しかし、その方法論は日本の間接民主主義に逆らうもので、弊害が大き過ぎました。

 いくら総理が「郵政民営化に反対か賛成か」と問い掛けても、あくまでルール的には普通の総選挙です。有権者は国民の代表としての衆議院議員を普通に選ばなけれ ばならなかったのです。しかし、小泉氏の扇動は効を奏し、騙されて「郵政民営化国民投票」のつもりで投票した有権者は多かったようです。

 そんな手法を使った小泉氏は誉められたものではありませんが、悪用とは言えルールの範囲内でやった事ですから、結局は
選挙の基本を忘れて騙された有権者が悪いと思います。

 郵政選挙で多くの国民は擬似的な直接民主主義を擦り込まれてしまいました。実際は選挙用の方便で、日本にはそんな仕組みは存在しないのに、です。

 そして今回の選挙は逆に民主党が擬似国民投票の詐欺で議席を騙し取ろうとしています。
 結果次第ですが、成功すれば小沢代表の選挙戦術が優れていた、という事になります。しかし同時にこれまた日本の間接民主主義を否定するものです。そんな小沢代表の手法も誉められたものでは有りませんが、結局は
騙される有権者が悪いという事です。

 そんな訳で、郵政選挙も年金選挙も「法に則って適切に処理している」と言ったところでしょうか。(適切とは思いませんが責める事もできません。)
 どちらも国民投票ではなくて、ただの国会議員の選挙に過ぎません。従って、造反して落選した衛藤氏が復党したところで、ルール的には何の問題も無いと考えています。そもそも、フリーの代議士をメンバーに迎えるかどうかなんて、党が勝手に決めれば済む話。その人物が
気に入らないなら有権者が選挙で落とせば良いだけです。

 それにしても、二大政党制とか国民投票代わりの選挙とか、本来のシステムを歪んだ解釈で無理やり使おうとするのは問題が多すぎます。そういう仕組みを作 りたかったら、まず法改正してその目的に合致した制度を作るのがスジでしょう。詐欺まがいの詭弁を操って選挙に勝とうなんて、それこそ民主主義に対する冒涜で す。

 原理原則を貫く安倍政権は、狂いが生じてしまった日本の間接民主主義を、本来の形に矯正しようとしているところなのでしょう。前任者が無茶をやると後任は苦労が絶えませんね。


記事引用
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070726-00000917-san-pol
 比例代表の「非拘束名簿方式」では個人名投票の得票順で当選者が決まるため、地盤が狭い元衆院議員は本来、地元の票固めをして当選を目指す。ところが、自民比例代表の衛藤氏は地元・大分県で選挙活動を行っていない。
 17年の総選挙は大分1区で落選。今年3月、盟友の安倍晋三首相の意向で復党を果たし、参院選への出馬が決まった。国政復帰への道筋は順調にみえたが、「公明党の猛反発」という思わぬ障壁が立ちはだかった。
 衛藤氏が比例代表で出馬すれば、選挙協力で大分の自民支持者から公明に来るはずの比例票が衛藤氏に流れる-との理屈だ。公明から「配慮」を求められた自民は、衛藤氏に大分での選挙運動禁止を言い渡した。
 「全国を回ってカバーするしかない。本当に予想外の制約だった」と衛藤氏は話す。
 大分からの引っ越しや住民票の移動も命じられる徹底ぶり。トランク1つで福岡市のマンションに移ったが、党本部側から「九州内では意味がない」と激怒され、わずか2週間で東京に引っ越す羽目に。
 それでも衛藤氏は、公示前の6月27日に福岡市で決起集会を計画。「福岡から『衛藤は大分を捨てたわけではない』というメッセージを伝えたかった」(陣営関係者)。会場には大分からも約300人の支持者が駆けつけたが、結局、衛藤氏は自民幹部の指示で出席できなかった。
 衆院当選4回の実績も形無し。あまりに冷酷な仕打ちに、支援者からは「ひどすぎる」との声が漏れた。
 「自分だけの問題ならケンカもできるが…」と言葉少なに語る衛藤氏。自・公連立のはざまで、苦悶(くもん)の終盤戦を迎えている。

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